2021年11月3日
新商品 宇治抹茶ラテ
ゆらふるはコーヒー豆店である。しかしながら同店ではコーヒー豆以外にも紅茶などの品ぞろえもある。そして今回、ゆらふるオリジナルのドリンクが登場した。
宇治抹茶ラテは京都府宇治出身のスタッフが地元で仕入れた宇治抹茶を使用している。宇治市は抹茶の産地としてつとに有名である。宇治抹茶ラテは抹茶をふんだんに使っているのがわかり、本格派志向だ。アイスとホットがあるが、私はホットをテイクアウトしてみた。濃厚で若干の渋みがあり大人な味に仕上がっている。と同時に店主によりアートラテが施されておりチャーミングだ。若いスタッフたちの協力を感じさせるハートウォーミングな商品だと言えよう。値段はアイス・ホット共に400円。(重)
2021年11月13日
人気のコーヒー豆 ”グアテマラSHB”
10月にOpenしたゆらふる。 開店最初の一か月で最も売れた豆がグアテマラSHBだったと言う。 グアテマラは中米地域有数のコーヒー産地だ。 国名の脇に記載されるSHBという文字はコーヒー豆のグレードを表す指標である。 グアテマラ豆の場合、指標は豆の産地の標高を示し、標高が高い場所で取れる豆ほどグレードは高くなる。 SHBは最高グレードのコーヒー豆で、日本に輸入されるグアテマラ産豆もSHBが主流であり、ゆらふるでと同じように人気が高い。
酸味と香りとコクの三拍子が揃った風味と評されるグアテマラSHB。 最も標準的で飲みやすいブラジルのコーヒーと比べてみると、最初の口あたりのマイルドさは同じような感じだが、ソフトな余韻が残る。 全体的にはすっきしとしたテイストだ。
同じ中南米産地の豆でも味わいは違ってくる。 ワインが産地によって味や香りが変わるように、コーヒー豆も産地の土壌や気温、湿度、あるいは品種によりバラエティに富んだ味と香りを私たちに届けてくれるのだろう。 (重)Nov,13,2021
エチオピアの平和たれ ”ゲイシャ”
ゆらふるに足を運んだら是非購入すべきだと思うのがエチオピアゲイシャだ。同店で置かれている2つのスペシャルティコーヒーのうちの一つで、他店では及びもつかない格安プライスでゲットできるのだ。
エチオピアのゲイシャ村で採れることから名づけられたゲイシャ。幻想的なまでに広がりをみせるアロマと、複雑で繊細なテイスト。コーヒーの豊かな風味は様々な食品の味覚に例えて表現されるのだが、私がゲイシャに感じた味は“オレンジ入りのチョコレート”だ。
コーヒー豆が木の実であるという本来の姿を、ゲイシャは必然的に思い起こさせる。
ただゲイシャの原産国であるエチオピアは今政情不安の只中にある。人口1億を有するエチオピアは多民族国家で、民族同士の紛争が危機的状況を招いているのだ。同国から分離独立を図るティグライ人に対し、中央政府は凄惨な虐殺を仕かけ、数百万人に及ぶ難民が生じている。
エチオピアを代表する輸出商品がコーヒー豆である。その他近年はバラの生産も伸びている。しかしコーヒーもバラも平和があってこそ同国の顔となる。ゲイシャを飲みながら、その都度エチオピアの平和を私は願っている。(Dec04,2021)
すっきりテイストなホンジュラスHG
ゆらふるにやや遅れて届けられたコーヒー豆ホンジェラスHG。ホンジュラスはグァテマラと国境を接する中米諸国の一つ。ホンジュラスHGはすっきりした味わいと軽やかな酸味が特徴的だ。この特徴を活かすには、やや粗挽きにし、湯の量を多めにしてアメリカンコーヒー風に仕上げるとのこと。また、湯はぬるめではなく熱々が良いそうだ。浅煎りのコーヒーをペーパードリップで作る場合、”湯だまり”が生じやすく、味を落とす。それを避けるには沸騰した湯を使い、豆紛をふんわりと膨らませるのがポイントとなる。
年末年始は親類や友人たちと集まり、いつもより贅沢な食事をする機会が増えるだろう。そんな時に飲むコーヒーはコクがあるものよりも、ホンジュラスのようなすっきりテイストのものをチョイスするのはいかがだろう。浅煎りのコーヒーはコーヒーのカフェイン効果が高く、目覚ましにも良いと言うことだ。(Dec31,2021)
マンデリンでカフェオーレ
マンデリン(g1)はゆらふるで安定的な人気を保っているそうだ。生産国はインドネシア。コーヒー豆の生産はアフリカや中南米諸国が主流だが、インドネシアはアジアで孤軍奮闘している。赤道をまたいで、大小の島々で構成される広大なインドネシア。火山や地震が多いところは同じ島国の日本とも似ている。年が明けてトンガで巨大な海底火山が噴火したが、過去にはインドネシアでトンガの数十倍の巨大噴火があったという。そんな火の島国から届けられたマンデリンは深いコクと渋い苦みが特徴だ。それによって酸味がないというのも特徴となる。日本で伝統的にマンデリンの人気があるのは、日本人は深煎りを好む傾向があり、コクと苦味を特徴とするマンデリンは深煎りに適しているからだ。
またマンデリンの芳醇な苦みはミルクとの相性が最高だという。
そこで私はマンデリンをカフェオーレで味わってみた。作り方
はコーヒーと牛乳の割合を半々にする。牛乳は沸騰させたいところだが、膜が張ったり、味が変化するので60℃までに抑える。
さて試飲。すると感動的ではないか、まさしくカフェオーレなのだ。これでますますコンビニに立ち寄る回数が減ってしまうだろう・・・。(Jan.30,2022)
長寿と幸福の国 コスタリカ
コスタリカはグァテマラやホンジュラスと同じく中米諸国の一つであり、コーヒーの産地だ。
コスタリカってどんな国だろう?その答えの一つに長寿と幸福の国というのがある。
南北アメリカ大陸の諸国の中で最も平均寿命が長いのがコスタリカである。他の中南米諸国よりも早く民主主義が根付き、医療制度も充実しているそうだ。また伝統的な食習慣と長寿との関連も注目されている。コスタリカ西部、太平洋に面する地域は特に長生きの人が多く、世界5大長寿地域の一つに数えられている。主食にミネラル豊富なトウモロコシを用意し、火山灰性の滋味豊かな土地で採れた野菜や果物を副菜として食べる。そしてコーヒーを飲む。
コスタリカはまた幸福と笑顔の国である。国連が発表する世界幸福度ランキングで、上位を占めるのは北欧諸国を始めとするいわゆる先進諸国である。その間に入り、コスタリカは16位と健闘しているのだ。またアメリカの民間調査会社ギャラップによる幸福度指数でもコスタリカは上位にある。彼らの幸福の特徴は日々の生活の喜びを満喫することにあるという。最も笑顔が絶えない国であると評価されているのだ。
コスタリカコーヒーは滑らかな甘み、滑らかなコク、それと酸味が調和を奏でている。コーラルマウンテンは直訳すると“珊瑚の山“。赤道に近いコスタリカでは1000メートルを超える山の斜面にコーヒーの森が作られる。それが太陽に照らされると海のように藍色に照り輝く。その様子を眺めた地元の人々が珊瑚の山と名付けた場所がコーラルマウンテンの産地である。豊かな自然と幸福な人々。コスタリカ産コーラルマウンテンを飲みながら、アルカディアのような遠国に思いを馳せてみてはいかがだろうか。(Mar26,2022)
ボリビアのコーヒーをご存じで?
今回はボリビア産コーヒー豆“コパカバーナの乙女”を紹介してみる。
コパカバーナの乙女はスペシャリティコーヒーと、さらに有機栽培種の認証を得ている。なので、リーゾナブルな値段設定のゆらふるでも最も値段の高いコーヒー豆となっている。私は最初にコパカバーナの乙女を飲んで以来、大のお気に入りになり、セールの日を狙ってしばしば購入するのだが、店長は今後も店頭に置くかどうか迷っているとのこと。
確かに値段が高い割には例えばエチオピアゲイシャのように高級コーヒー豆として世間に知られているわけではなく、売るのが難しいのだろう。
コパカバーナの乙女はボリビアのユンガス地方で栽培・生産される。ボリビアの首都はラパスで、標高3500mという世界で最も高い場所にある首都として有名だ。ユンガス地方というのはラパスに近く、標高は下がり、アンデス山脈と熱帯低地との間に広がる湿潤地域で、農作物の宝庫となっている。コパカバーナの乙女を飲むと、深いコクと芳醇な甘みを同時に味わうことができる。この前紹介したコスタリカコーラルマウンテンに似た味かなと思ったりもするが、コーラルマウンテンのコーヒー豆の品種はカトゥーラであるのに対し、コパカバーナの乙女はティピカである。そのフレーバーはナッツ系だと言われている。
6000mもの高みを持つアンデス山脈、日本の富士山とほぼ同じ高さに大都市を抱え、チチカカ湖やウユニ湖と言った名だたる湖を持ち、アンデスに夕闇が迫るころ、広大な湖の表面は朱色に染まる。まるでアニメの世界に描かれたような風景の中で育まれたボリビアのコーヒー豆、コパカバーナの乙女。私は超絶“押し”である。(Apr.22.2022)
エチオピアの生活 イルガチェフェ
コーヒー豆に関してはまだまだ素人の自分だが、今回“イルガチェフェ”を紹介するのに、調べて分かったことがある。イルガチェフェはエチオピア産のコーヒーで、モカイルガチェフェなどとも言われて販売されている。エチオピアのコーヒーはモカと名の付くものがたくさんある。ゆらふるにもモカシダモが置いてある。モカと呼ばれる豆には共通の風味があるようだ。フルーティーな酸味と甘み、優しいコク。
ではモカシダモとモカイルガチェフェに違いはあるのか。
シダモもイルガチェフェもエチオピアの土地の名前である。そして広いシダモ地方の中にイルガチェフェという狭い地域がある。モカシダモとはシダモ地方で採れたモカという意味であり、そういう意味ならばイルガチェフェもモカシダモなのだが、より地域が限定されているということだ。なので味もまた独特なものがあると予想されるし、こだわりのモカだとも言えよう。
いずれにせよコーヒー発祥の地で、かつ現在も国民的飲み物としてコーヒーが生活に溶け込んでいるエチオピアにおいて、モカイルガチェフェも普段使いされている豆の一つなのであろう。以前エチオピアゲイシャを紹介した時に、かの国が現在内戦中であることを記載したが、私たちが日々報告を受けているウクライナと同じような悲惨なことが実際にエチオピアでも起きているのである。しかしこうしてコーヒー豆が届けられていることがありがたい。生活の中に溶け込み、生活を支えるエチオピアのコーヒー。生活は強し。戦争よりも。(Jun4,2022)
クレオパトラの秋
コーヒーの味を表現する言葉の一つに“ボディ感”というものがある。コロンビアコーヒーの特徴によく用いられるのだが、私的な解釈では、ボディ感はコクがあることを示すものだと思う。逆に考えればコロンビアコーヒーを飲むことによって、コーヒーのボディ感を感じることができるわけだ。
ゆらふるはこれまでコロンビアスプレモという豆を置いてきているが、もう一つコロンビアから強力な助っ人を呼んできた。その名もクレオパトラ。スプレモもコロンビア豆の中では上位に当たる品種なのだが、クレオパトラはコロンビア・スペシャリティ・コーヒーの認証を受けている。スプレモと飲み比べてみると、クレオパトラの方が甘みがあって、コクとのブレンド感が増しているようだ。
季節はようやく秋を迎えた。夏はアイスコーヒーばかり飲んでいたが、秋はゆっくりと落ち着いて、コーヒーの味覚を楽しみたい。そんな欲求にまず最初に答えてくれるのはしっかりしたボディ感のあるコロンビアコーヒーかもしれない。しかもクレオパトラはスペシャリティで味に幅があり、風味豊か。あぁ、どうせならクレオパトラのような秋を迎えたいな・・・。
(Sep,25,2022)
ゆらふるのオータムレッドで日本の秋を
昨年開店したゆらふるはこの1年間で季節のブレンドコーヒーを作ってきた。今回新しく販売されたオータムレッドはその締めくくりとなる秋後半のオリジナルブレンドだ。
Make your life colorful.これがゆらふる珈琲店のテーマである。これまで冬は白、春はピンク、初夏は緑、夏は青、初秋は黄色をあてがってきた、そして最後、晩秋は赤。コロンビアをベースに珍しいペルー産のコーヒー豆もブレンドされた味は甘さが強調されているようだ。秋に対する感性はそれぞれであり、お店のスタッフたちは甘みこそ秋の深まりに似合うと感じたのだろうか。
オータム、英語ではAutumnとつづられるこの言葉の響きが好きだ。英語で紅葉はred leavesではなく、Autumn leavesとなる。
私個人としてはコーヒーが一番似合うというか、美味しく感じる季節は秋だ。日本には世界に誇る四季がある、と言われてきた。しかし心配なのは現代日本人の秋に対する感受性が弱くなっている気がすることだ。温暖化で夏が長くなり、とは言えまだまだ寒い冬は来る。さて秋はどこに行ってしまったのか?ニュースでは連日紅葉の名所を訪れる観光客の賑わいを伝えているが、秋という季節は本来、美しく彩られた風景を静かに見つめる時ではないかと思ったりする。
♬ちいさい秋、ちいさい秋、みつけた
この哀調を帯びた、最も有名な秋の童謡の一つの歌詞は、一人静かに秋を眺めることの暗喩でつづられている。
(Nov,12,2022)
ペルーからやって来た!チャンチャマイヨ
ゆらふる珈琲でまた新しくシングルオリジンの豆が販売された。ペルー産のチャンチャマイヨ。早速購入して試飲してみたが、とても美味しい。甘みがあり、コクがある。そしてどこか野性的な感じもする。先にここで紹介したボリビア産の優良豆コパカバーナの乙女に似た味だというのが最初の印象だった。
ネットで探ってみるとチャンチャマイヨの特徴はコクと微かな苦み、全体を覆うハーブの風味との評判が散見される。野性的だと自分が感じたのはハーブの風味を指すのだと思う。捉え方は色々だ。
ペルーという国は遠国でありながらけっこう知名度は高いのではないか。空中都市としてよく知られた世界遺産マチュピチュがあり、アルパカという可愛らしい動物の生息地である。また国の大統領に、日系二世だったアルベルト・フジモリ氏が就任したこともある。ただ政治は安定せず、ちょうど今、大統領罷免を巡る混乱で死者を伴う暴動が起きているのが気がかりである。
最近注目されているのはペルー料理である。ある調査会社が設けた賞で、世界で最も美食が楽しめる国4年連続最優秀国となっているのがペルーなのである。魚、肉、穀類、野菜、それぞれが豊富に収穫できる地形と気候を有しているのが発展の土台にあるという。
コーヒー豆チャンチャマイヨはそんな知られざる、いやこれから日本でもブームが巻き起こるだろうペルー料理の良き仲間として受けとめてみてはいかがだろうか。(Jan,12,2023)